映画「テネット」の個人的な感想。
こんにちわ。アリス(@AliceNetwork000)です。
時間の逆回転「逆行」という面白い概念をテーマにした作品です。
テネットのあらすじ
- ウクライナ・キエフのオペラハウスにてテロ事件が発生した。特殊部隊に偽装して突入したCIA工作員の男は、ロシア人たちに捕らえらてしまうが、やがて今回のテロと対処任務そのものがテストだったことが明かされる。そして彼に課された使命は、時間移動が可能になった未来の世界から来た敵と闘い、第三次世界大戦の勃発を防ぐことだった。ミッションのキーワードは「TENET」。その言葉の使い方が、未来に大きく影響する。そして相棒を得たその男は、かつてない時間軸を舞台とした闘いに身を投じる。
テネットの感想
初期の頃から「凝った作品」を作ることで、これまでになかった体験を観客にさせることに心血を注いできたクリストファー・ノーラン監督。
しかも、これだけCG全盛時代になっても、あくまでリアルに拘り、必要とあらばビルも本当に爆破しますし、本作「TENET テネット」ではボーイング747を購入して爆破しています。
本作はクリストファー・ノーラン監督作で最高の製作費となっていますが、それでも、購入したボーイング747は、事前にエンジン部分を取り除いて売却するなどして、意外とコストパフォーマンスは考えられているのです。
本作ではこれまでと同様に内容をとことん考え、遂に設定が「時間の逆回転」にまで行っています。しかも、これは「ドラえもん」のタイムマシンといったレベルの話ではなく、キチンと物理学的な考察を行なっていて、「時間の逆回転」をした場合に、人間は酸素を吸うことができるのか、等も考えられています。
クリストファー・ノーラン監督念願の初のスパイ映画というだけあり、撮影が7か国も飛び回るなど展開が速くなります。
リアリティーのある「時間の逆回転」という概念に思考が追い付かなくなったり、視覚的にも「順行するもの」と「逆行するもの」が行き交ったりと、ここでも思考の混乱が出ます。
このように、視覚と概念の両面から「人間の脳の限界」に挑んでくるのです!
細かいトリックを含めると平均的には100個くらいは気付けない部分が出てくるのかもしれません。
ただ、不思議と2回目を見ると理解度が上がったりと、謎解きができてきて知的なエンターテインメント作品として成立することが分かってきます。
それは、まさに名作「インセプション」や「インターステラー」と同様に。
とは言え、今回の「TENET テネット」は、少し難易度が高いのかもしれません。私は、本作がクリストファー・ノーラン監督の集大成的な作品で、これが「多くの人たちが楽しめるエンターテインメントのピークのライン」だと思っています
。
本作によって「時間のトリック」の限界にまで到達したと思われるクリストファー・ノーラン監督が、次に挑むのはどんなジャンルなのか、今から楽しみになってきます。